手術のご案内
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〒812-0017
福岡市博多区美野島4-5-3
竹下駅より徒歩7分 駐車場あり
当院についてはもちろん眼の事でご相談があればお気軽にご連絡ください


涙は眼の表面から瞼の内側にある涙点という穴を通って涙小管という管に入り、涙嚢という袋を経由し鼻涙管という管を通って鼻に排出されていきます。この涙点から鼻に排出されるまでの通路の事を涙道と言います。
涙道が詰まっている事を涙道閉塞、狭くなっていることを涙道狭窄と言います。このような涙道の障害があると涙が鼻に向かって排出されず眼の表面に長く溜まるようになり、何もしていなくても頻繁に涙がこぼれてくるようになります(流涙)。
 この流涙は自然には改善せず、いずれ細菌を含んだ古い涙液が涙嚢内に長期間留まるようになりますので、細菌が周囲に広がり皮膚や涙嚢が腫脹する急性涙嚢炎という疾患を引き起こすリスクがあります。
 涙嚢鼻腔吻合術は新たな涙液の排出経路を作成し、涙液の排出を改善します。これによる流涙の改善と、急性涙嚢炎発症予防が手術の主な目的になります。涙嚢炎を伴わない流涙症はブジーやチューブ挿入などのなるべく低侵襲な治療から選択していきますが、涙嚢炎を伴う閉塞の強い涙道閉鎖に対してはチューブ挿入などでは再閉塞のリスクが高く、涙嚢鼻腔吻合術を選択しなければ治らないことがあります。現在では、まだこの治療を行う眼科病院が少なく、眼科手術の中でも特殊な手術と言えます。当院では最新の医療技術・器機の導入により、日帰り手術で熟練したスタッフと技術を用いて安全かつ確実な手術を行っています。


患者様の病状や訴えなどによりますが、一般的には涙道閉塞があり、ブジーやチューブ挿入で再発を繰り返えす方、涙嚢炎を伴っている方、閉塞の程度が強い方が適応となります。
当院では最新の鼻内視鏡を用いて手術を行います。顕微鏡はZeiss 社製Lumera T®を用いて手術を行います。また高解像度モニターを使用して鼻腔内の状態を把握しながら手術することにより、安全に素早く手術することが可能となっています。いずれも最新の手術システムを使用しています。

この手術には皮膚を切開してする方法(鼻外法)と鼻から内視鏡で見ながらする方法(鼻内法) の二つの方法があります。どちらの方法を選択するかは患者さんによっても異なります。
A 鼻外法
皮膚を切開し、涙嚢と鼻腔の間にある堅い組織を露出します。涙嚢と鼻腔の間にある硬い組織を削って涙嚢粘膜を露出し、涙嚢粘膜を切開して同様に切開した鼻の粘膜と縫合します。涙小管狭窄のある方ではシリコン製のチューブを涙道内に留置します。
B 鼻内法
内視鏡で見ながら、鼻の粘膜を切開し涙嚢粘膜を切開して鼻腔側に広げます。涙嚢粘膜に糸をかけて鼻の外に牽引してテープで固定する場合もあります。涙小管狭窄のある方は涙道内にシリコン製のチューブを留置する事があります。
「最小限の侵襲で、最大限安全な手術」を目指して手術を行います。当院では、ほとんどの方で皮膚に切開を加えない鼻内法で手術を行っています。またなるべく大きな涙嚢鼻腔吻合口を作成し、術後の再発リスクを出来る限り低くするようにしています。

手術時間は白内障と異なり病状や閉塞の程度によって大きく左右されます。45分~90分が目安ですが、顔と同じように眼も個人によって大きく異なります。なるべくスピーディーに行うことも大事ですが、しっかり治療することが何よりも大事ですので、短時間かつ精度の高い手術を心がけています。

術後、涙嚢炎や涙道閉塞が解消され、流涙症状や眼脂が改善します。また、急性涙嚢炎によって周囲の組織が強く腫れたりすることがなくなります。